27歳の無神論者、AI教会を創設
27歳の無神論者であるヴァレンティンは、人工知能（AI）を基盤とした教会の創設者として歴史に名を刻むこととなった。「すべては冗談から始まりました。ルーマニアの小さな町にあるいくつかの教会がPOS端末を導入しているのを見て、モダンな教会をAIで作ってみようと思ったんです」と彼はNOVAテレビに語った。
ヴァレンティンはChatGPTを用いたウェブサイトを作成し、友人たちに向けてFacebookで公開したところ、大きな反響があった。「突然みんながそれを使い始めたんです」と彼は続ける。しかし、この盛り上がりも一年しか続かず、彼の教会は倒産してしまった。ヴァレンティンによれば、これは予算不足によるものであり、この種の教会が存在できないというわけではないと語る。
信者たちは聖書のページではなくコンピューターコードから答えを見つけるようになり、多くの人々にとってそれは一種のセラピーや永遠の疑問への答えを得る手段となっていたという。「私たちの教会では誰もAIに祈っていたわけではありません」と彼は説明する。
しかしながら、デジタル情報誤報（デジノフラ）が大きな問題となり、「チャットボットが幻覚じみた発言や部分的な真実しか話さないことがあった」と述懐する。また、このプラットフォーム自体が悪意ある目的で利用され、人々を騙したり個人情報を盗んだりする危険性も指摘された。
ヴァレンティン曰く、このオンライン教会は彼自身の宗教観には影響を与えなかったものの、信者たちを見る目には変化が生じたという。「人々はどこでも信仰心を見出すことができる。神との間に仲介者はいらない」と考えるようになった。そして「私たちがお互いに気遣い合い、良い人間であることこそ重要だ」と結論付けている。
倒産した教会プロジェクトは大学で執筆したディサーテーションにも活用され、その評価も最高点だったそうだ。非正統的なアプローチにもかかわらず、ヴァレンティンによれば「現実世界で人々の精神的指導者となる人物は聖書に描写されているような存在であるべき」だという。贅沢品や金銀財宝ではなく、人々との近しい関係が求められると強調し、「信仰心こそ探すべきもので、お金ではない」と締めくくった。
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