「DeepLが新世代LLMを導入—GPT-4やGoogle、Microsoftを凌駕する翻訳品質とは？」

DeepL、次世代言語モデルを発表

画像: DeepL

ドイツ・ケルンを拠点とするAI言語技術プロバイダーのDeepLは、2024年7月17日に次世代の言語モデルを発表しました。この新しいモデルは、特にテキストの翻訳と編集に特化したLLM（大規模言語モデル）技術を基にしています。

今回のアップデートは、翻訳の品質とパフォーマンスにおける新たな基準を打ち立てるものであり、企業向けの言語AIプラットフォームとしてのDeepLの進化において重要なマイルストーンとなります。

この新しいソリューションは、以下の3つの独自機能を組み合わせています:

専門的なLLM: DeepLのLLMは言語に特化しており、人間らしい翻訳が可能であるだけでなく、誤情報や「幻覚」のリスクも軽減します。
独自データ: 一般的なモデルとは異なり、DeepLは過去7年間で収集した独自データを用いてトレーニングされています。これにより、高精度なコンテンツ作成と翻訳が実現されます。
人間によるサポート: モデルが最高品質の翻訳を提供できるよう、多数の熟練した言語専門家がサポートし、「補習授業」を行っています。

新しいソリューションのテスト結果によれば、BlindテストではDeepLの翻訳がGoogle Translateより1.3倍好まれ、ChatGPT-4より1.7倍、Microsoftより2.3倍好まれることが示されています。

Jaroslaw Kutylowski, CEO of DeepL – 画像: DeepL

Jaroslaw (Jarek) Kutylowski, CEO兼創業者, は次のように述べています:

「これは企業向けLLMベース言語AIソリューションへの第一歩です。私たちは研究型企業として投資し続けており、翻訳とライティング品質、効率性、および適応性の限界を広げています。」

新モデル、大幅な改善を実現

新しいDeepLモデルは既存サービス以上に大幅な改善を遂げました。英日および英中（簡体字）の組み合わせで1.7倍、英独で1.4倍精度が向上しています。これにより企業ユーザーは手動編集時間を削減でき、一層効率的なコミュニケーションが可能となります。

即時利用可能、新機能も続々追加予定

この新モデルによる翻訳機能は現在DeepL Proユーザー向けに提供されており、日本語や中国語（簡体字）など多くの言語にも対応しています。また、新機能も今後順次追加予定です。Proユーザーにはセキュリティ基準（ISO 27001認証など）が守られていることが保証されており、そのデータがトレーニング目的で使用されることはありません。