2024年7月30日、AM09:00
大阪公立大学は7月25日、骨軟部放射線領域におけるChatGPTと放射線科医の診断精度を比較した研究結果を発表しました。この研究は同大大学院医学研究科放射線診断学・IVR学の堀内大右研究医、および人工知能学の植田大樹准教授らの研究グループによるもので、その成果は「European Radiology」にオンライン掲載されています。
生成AIであるChatGPTは様々な分野で活用が進んでおり、特に医療分野での期待が高まっています。放射線画像診断には専門的な知識が求められるため、今後の最適な活用方法を見極めるためにも、その診断精度を評価することが重要です。
今回の研究では、「Skeletal Radiology」に掲載された106例の画像診断症例を対象に、GPT-4ベースおよびGPT-4VベースのChatGPTと放射線科医（専攻医・専門医）の診断精度を比較しました。GPT-4ベースには病歴と画像所見（文章）を、GPT-4Vベースには病歴と画像自体を入力し、それぞれ診断を生成。また、放射線科医も同じ症例について診断しました。なお、GPT-4Vは画像処理能力も持つ生成AIです。
### 診断精度比較結果
調査結果によると、最も精度が高い順に並べると以下となります：
1. 放射線診断専門医
2. GPT-4ベースChatGPT、および放射線科専攻医
3. GPT-4VベースChatGPT
### ChatGPT参照による診断精度向上
また、この研究ではChatGPTが生成した診断を参考にした場合に放射線科医の診断精度が向上するかどうかも検討されました。その結果、わずかながら放射線科医の診断精度が向上することが確認されました。このことからも、ChatGPTが補助ツールとして有用である可能性が示唆されます。
### 今後への期待
骨軟部放射線領域においてChatGPTは有用である可能性があります。ただし現時点ではその性能を十分理解した上で活用する必要があります。生成AI技術は日々進歩しており、将来的にはさらに優れた補助ツールとして期待されています。
このような最新の動向について、大阪公立大学の研究グループは引き続き注目し、新しい知見を提供していく予定です。
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